認知症の高齢者への対応

認知症の高齢者への介護において、介護職は「その人らしい生活」を支える視点を常に持って接することが大切です。
認知症は脳の機能低下により、日常生活に支障が出てくる病気です。そのため、介護職は高齢者の行動を理解し、適切な対応をする必要があります。

例として食事の際に食べこぼしが多い場合も、叱ったり急かしたりせず、「ゆっくり食べましょう」と優しく声かけをしながら見守ることが大切です。着替えや入浴を拒否する場合も無理強いせず、時間を置いてから再度促したり、高齢者の気持ちを汲み取った言葉かけを心がけたりすることで、自発的な行動を促すようにします。

そして、介護職は「なんでもやってあげる」姿勢で接するのではなく、高齢者ができることは自分で行えるよう見守ることも重要です。これは、高齢者の残存機能を維持し、自立心を育むことに繋がるからです。過剰な介助は高齢者の自尊心を傷つけ、意欲や活力を低下させてしまう可能性もあります。

認知症の高齢者への対応は、一人ひとりの症状や性格、生活背景などを考慮する必要があります。そのため、日頃からコミュニケーションを密に取り、高齢者の気持ちを理解しようと努めることが大切です。認知症の高齢者にとって、介護職は日常生活を支える大切な存在です。高齢者の尊厳を守り、その人らしい生活をサポートするために、介護職は専門知識と技術を習得して温かい心で接していくことが欠かせません。